お祭りがあるなんて誰も教えてくれなかった

夜、浴衣姿の人をちらほら見かけた。近くで祭りがあったらしい。
みんな誰かと連れ立って、ばかみたいにはしゃいでいた。

草むらにいつまでも顔を突っ込んでスンスンやってる飼い犬に苛立って、リードを強引にひっぱっていつもより早足で歩いた。
人の笑い声から逃れるように進むうち、ふだんは通らないような真っ暗な道に出ていた。

少しほっとして歩調を緩め、犬の草むら探索に付き合ってると、前方から一人の女性が歩いてくるのが見えた。
闇に白い服が浮かび上がって、ゆらゆらと独特の歩き方で近づいてくるその姿は、一瞬、この世の人のものではないかのように思われて、心臓がきゅうとなった。

実際すれ違いざまによく見てみたら、浴衣姿のふつうの女の人だった。
シンプルで古風な浴衣がよく似合っていて、これぞ大人の浴衣姿という感じで、粋だなーと思った。

もっとも、彼女の隣に彼氏かなんかがいて、ばかみたいにイチャついてたりでもしたら、そんな感想は微塵も抱かなかっただろうがね！



脈絡なくおじさん



そういえばここ数日、すごい勢いで更新している。
ネット依存なの？
そう続かないとは思うけど。